鼻づまり、鼻閉 笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室
鼻づまりについて
 「鼻が詰まり、鼻で息が出来ない」というのは日常よく起こる症状の一つです。ひどい鼻づまりがあってもあまり気にされない方も多いのですが、わずかな鼻詰まりでも酷く鬱陶しいと感じられ、いびきの原因になり、日常生活に多大な影響が出る方もあり、鼻づまりが生活の質 (QOL : Quality Of Life) に及ぼす影響は人それぞれに大きく異なります。鼻詰まりは多種多様な疾患が原因となって起こる症状の一つで、耳鼻咽喉科ではその原因疾患を診断し治療を行います。鼻づまりの主な原因として、感染症、鼻腔の構造的問題、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、肥厚性鼻炎などが考えられます。鼻詰まりの人は、そのうち2つ以上の様々な要因が関与しているのが普通です。左右の鼻の通り具合は鼻腔通気度計を用いることによって客観的な数値として表すことが出来ます。
感染による鼻づまり
 平均的な大人は「
いわゆる風邪」を年に2度か3度ひきます。子供ではもっと回数は多いのですが、年齢を重ねるに従って免疫力がついてくるので「風邪」をひく回数は少なくなります。一般的な「風邪」の原因は何種類かのビールスが原因です。空気感染でも起こりますが、手から鼻への接触感染が殆どです。ビールスが鼻の粘膜に到着すると粘膜組織からはヒスタミンなどの化学物質が遊離し、それによって鼻粘膜の血液の流れが劇的に増加し、鼻粘膜組織は鬱血して腫れ、多量の粘液が出てきます。そこで抗ヒスタミン剤や消炎剤を使うと風邪の症状は軽減できますが、ビールスが原因である風邪そのものは時間がたたないと治りません。
 ビールスに感染すると、鼻粘膜は抵抗力が落ちるので細菌感染にも罹りやすくなります。「風邪」をひいたあとに、鼻とその奥にある副鼻腔に細菌感染を起こし、最初は水っぽい鼻汁だったのが黄色や緑色の膿に変化し、鼻副鼻腔炎いわゆる蓄膿症として耳鼻科の治療が必要になります。
 急性副鼻腔炎(急性の蓄膿症)の症状としては、鼻詰まり、粘っこい膿性の鼻漏、頬や上顎の歯の痛み、眼や眉間の奥の痛みや腫れ、前頭部の頭痛等が起こります。
 慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症といわれる病状)では、痛みは出ることも出ないこともありますが、鼻が詰まり、鼻汁が出るという症状がよくあることです。
 副鼻腔の感染が起こると、鼻の中で
鼻茸と呼ばれるポリープが急速に成長することがあります。また、感染が下気道に広がると慢性的な咳が出て、気管支炎や喘息様症状を引き起こすこともあります。急性の副鼻腔炎は一般的には抗生物質による治療が効果的ですが、慢性副鼻腔炎では手術的治療が必要になることもあります。
鼻茸(上顎洞性後鼻孔ポリープ)摘出標本
鼻の構造的な問題による鼻づまり
 薄い軟骨と骨で出来た鼻中隔が左右の鼻腔を分け隔てていますが、それが変形して鼻詰まりの原因になっている状態が
鼻中隔彎曲症です。ひどい変形は以前に受けた外傷によるものが多く、それも何年も前のことであったり、子供の頃のことであったりして、すっかり忘れられていることも多いようです。新生児の7%は出産時に鼻に外傷を受けるようですし、大人になるまでに一度も鼻をぶつけたことのない人もまずいないでしょう。日常の生活上、鼻の変形や鼻中隔の彎曲が問題になることはあまりありませんが、鼻中隔彎曲症によって鼻呼吸が妨げられているようなら、手術的に矯正した方がよいこともあります。
頭蓋骨頭蓋鼻づまり、鼻詰まり 鼻腔の構造 右の鼻腔鼻づまり、鼻つまり、鼻閉鼻閉、鼻つまり、鼻づまり左の鼻腔
 鼻閉塞の原因として、鼻弁部の狭窄や外鼻が狭いことによる場合があります。このような場合には鼻翼上部の鼻屋にブリーズライトなどの鼻腔拡張テープを貼付して外鼻を外側に引き挙げることで鼻腔内を拡げたり、Nozoventなどの鼻腔拡張器具を鼻腔内に装着して鼻弁部分を拡げることで鼻閉症状が解消します。手術的には外鼻形成術が適応になります。
 子供の鼻づまりの最も多い原因はアデノイドの腫れです。アデノイドというのは、口蓋の裏側で、鼻の一番突き当たりの奥にある、扁桃と同じリンパ組織です。アデノイドに問題のある子供は、寝ているときに寝息がうるさく、いびきをかいています。口を開けて呼吸していることが多く、アデノイド顔貌といわれる悲しそうな、情けないような顔つきになり、歯並びも悪くなります。アデノイド切除手術や、それと同時に扁桃摘出術を行うことで鼻詰まりが改善できます。
 この範疇に入る鼻詰まりの他の原因としては、
鼻の腫瘍異物があげられます。子供は豆やビーズ玉、ボタン、プラスチックのおもちゃのかけらなど何でも鼻の穴の中に入れる傾向があります。片方の鼻から臭い鼻汁が出ているようなときには、異物を鼻の中に入れていることがありますから、耳鼻科でみてもらう必要があります。
アレルギー性鼻炎による鼻づまり

 ハウスダスト(家のホコリ)、ダニ、スギ花粉、ブタクサ花粉、犬や猫の表皮など様々な微粒子による異物反応として発症したアレルギー性鼻炎が原因で鼻詰まりが起きます。春にはスギやヒノキなどの樹木の花粉、夏から秋にかけてはブタクサやヨモギやカモガヤなどの草の花粉、年間を通じてと特に冬にはハウスダストによる鼻アレルギーが起こります。カビも一年中症状を引き起こします。理想的にはそれらの物質を避けるのが最もよい治療方法なのですが、現実には殆ど不可能です。
 鼻アレルギーの方は、鼻の粘膜でヒスタミンとヒスタミン類似物質が遊離することで鼻粘膜の腫れと水様性の鼻水が出ます。抗ヒスタミン剤はくしゃみと鼻水を抑えてくれます。大衆薬局店でも数多くの抗ヒスタミン剤が、鼻炎やハナ風邪あるいは花粉症の治療薬などの名称で販売されており、簡単に手に入れる事が出来ますが、眠気の出やすいものが多いようです。抗ヒスタミン剤で眠気の出る方は薬を服用したあとは車の運転や危険な作業に従事するのを避けてください。病医院では、鎮静作用の少ない、眠気の出にくい新しいタイプの抗アレルギー剤も開発されて処方できるようになってきています。それらの薬の中には、高血圧、緑内障、不整脈、前立腺肥大、妊娠中では使用を避けた方がよい薬もありますから、医師とよくご相談の上、使用してください。ステロイド剤はアレルギー性鼻炎には非常に効果的な薬です。ステロイドの飲み薬を長期間使ったり、ステロイドの注射では副作用の出ることがありますので、全身的な副作用を避けるためにステロイド薬剤を鼻粘膜にスプレーする点鼻薬が主に使われています。副作用は少ないのですが、局所の刺激症状や鼻血が出やすくなる方がありますから、そのような場合は主治医の先生にご相談下さい。
 抗原特異的減感作療法という注射療法はアレルギーの根本的治療といえます。皮内テストや血液検査でアレルギーの原因物質を決定して、その薄い濃度の注射から始めて徐々に濃度を上げてゆき、血液中にアレルギー反応を防ぐ役目の遮断抗体というものを作る方法です。この治療は普通3年から4年以上かけて行われます。
 アレルギーのある患者さんは副鼻腔に感染を起こすことがよくあり、そのような場合にはアレルギーの治療に加えて副鼻腔炎の治療も必要になります。アレルギー性鼻炎による鼻詰まりに対する手術的治療として、下鼻甲介粘膜へのレーザー治療高周波凝固やラジオ波凝固治療は外来で比較的簡単に施行でき、安全性と有効性においても優れた治療法と考えられます。
血管運動性鼻炎による鼻詰まり
 鼻粘膜には多くの動脈や静脈と毛細血管が流れているため、腫脹したり収縮したりする大きな能力を持っています。通常これらの血管は半分収縮して半分開いているような状態にあります。活発に運動しているようなときには、アドレナリンが増加します。アドレナリンは鼻の血管を収縮させ血流を少なくし、その結果として鼻粘膜は収縮して鼻の呼吸が楽に出来るようになります。アレルギー反応が起こったり、いわゆる風邪がひどくなると、反対のことが起こります。つまり血管が膨張して、血液が鬱血し、鼻は詰まり、鼻で息が出来なくなります。
鼻腔粘膜構造 鼻腔の粘膜構造(A:粘膜上皮層、B:粘膜固有層)
 アレルギーや感染の他にも、様々な原因で
血管運動性鼻炎がおこり鼻粘膜の血管拡張が起こります。たとえば、精神的ストレス、甲状腺機能異常、妊娠、ある種の血圧降下剤、鼻粘膜収縮用の点鼻薬の使いすぎ、香料やタバコの煙などによる刺激等があげられます。これらの疾患の初期には、鼻閉は一時的であり原因が解決できれば快復します。しかし、長期間その原因が続くと、血管は収縮する能力を失ってしまい、静脈瘤のように血液が停滞することになります。頭が低い状態で寝たり、横になるときには右か左のどちらか低い位置になった側で鬱血が起き、両側あるいは片側の鼻づまりのため睡眠障害の原因になります。このような方は、頭部を高い位置にすることで鼻詰まりが改善できることがあります。ベッドの方なら、頭の側でベッドの足の下にブロックを1個か2個置くとか、リクライニングの出来るベッドならより簡単に頭部を高く維持できます。アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎による鼻づまりに対して、下甲介粘膜の炭酸ガスレーザー治療(A:粘膜上皮層に作用)ラジオ波凝固装置による治療(B:粘膜固有層に作用)外来で施行出来る安全で効果的な手術法です。

鼻呼吸障害に伴う症状と口呼吸により起こりやすい弊害
 口呼吸、鼻詰まり(鼻閉)、いびき、鼻閉塞感、頭重感、頭痛、言語不明瞭、鼻声(閉鼻声)、鼻汁過多、鼻すすり、眼刺激感、味覚障害嗅覚障害後鼻漏副鼻腔炎、慢性咽頭炎、上咽頭炎(鼻咽腔炎)咽頭痛(特に朝方、のどが痛む)慢性扁桃炎咽喉頭異常感症口内乾燥症(ドライマウス)、のどの乾燥感口内炎、口唇炎、歯肉炎、舌痛症、舌苔、口臭、齲歯、風邪をひきやすい、湿疹や発疹が出やすい、喘息気管支炎耳痛症中耳炎耳管炎難聴慢性の咳とくに夜間の咳嗽、易疲労性、慢性疲労症候群、胃腸障害、胃炎、食道炎、下痢、食欲不振、顎関節症、歯ぎしり、周りの人が気になる、気分が晴れない、睡眠障害、めまい感、また特に幼小児では歯列不整、咬合障害、口蓋の変形、顔面変形、胸郭の変形、哺乳障害、アデノイド顔貌、鼻性注意不能症、学力低下、等々の様々な弊害が起こり得ます。

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