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●湾岸署事件報告書1


◎報告書01 サラリーマン刑事と最初の難事件
 
「都知事と同じ名前の青島です」

放送日時 1997/01/07
演   出 本 広 克 行
ゲ ス ト 清水宏・畠山明子・森廉・近藤芳正・山口詩史
事件概要 刺激ある刑事に憧れ、期待を胸に湾岸署に赴任してきた青島俊作・29才、元コンピュータ会社の営業マンである。
はつらつとしたおもむきで初出勤した朝、・・・刑事課には誰もいなかった。荷物を持ったまま、きょろきょろして辺りを見回すと、・・・・いた。盗犯係に女性刑事・恩田すみれが。彼女はおでんをコンビニから盗んでポケットに隠している高校生男子を取り調べている最中だった。その時、管轄内で事件が発生した。しかし、恩田刑事・・・すみれを除いて他の刑事達は誰もいない。すみれも取調中なので動こうとしない。青島はすみれに言われて事件現場に一人向かうことになった。事件はオフィスビルで男性の他殺死体が発見されたというもの。
初出勤後はじめての事件に胸を高鳴らせ足どりよく現場のロープをくぐる青島。しかし、そこにはすでに機動捜査隊(機捜)が来ており、青島は「所轄は向こうにいってろ!」と言われ、すぐに追い出されてしまった。そこにあらわれた老刑事、湾岸署強行犯係の和久平八郎は青島に初動捜査は機捜に任せるということを教える。するとその後、捜査一課の刑事達と後に今回の事件の捜査指揮をとることになる一課の管理官・室井慎次があらわれる。和久は青島を連れて署に戻ることにした。
署に戻ると袴田刑事課長は強行犯係の面々に青島を紹介した。先ほど現場で会った和久に、キャリアで第一方面本部長の息子・真下正義刑事、強行犯係長・魚住二郎・・・以上、彼らが強行犯係の刑事であり青島は今日からここの一員となる。
その後、事件は『会社員殺人事件』とされ、湾岸署に特別捜査本部が設置された。
第一線で捜査をおこなうのはもちろん捜査一課であり、所轄署はそのコマとして使われる。青島は今回の事件捜査のわりふりにおいて室井管理官の運転手を申しつけられた。警察の上下社会のならわしににえきらない気持ちで運転手を引き受ける青島は事情聴取の為、ある病院で(取り調べには参加させてもらえなかったが)第一発見者で殺された会社員の娘・柏木雪乃をはじめて目にする。彼女はショックで口がきけなくなっていた。署に戻るとサラリーマン風の男が、鞄の中に何十もつながった鍵の束を持っており様子がおかしかったということで署に連れてこられていた。彼の取り調べは盗犯係がおこなうのだが、誰も手が空かないので青島が代わりにおこなうことになった。彼・田中文夫は何度か、夜中ビルに忍び込んではつまらないものを盗んでいることから任意同行をかけられていたことがわかった。が、今回の場合は鍵を何十も持っていたということだてなのですぐに帰ってもらうことになった。
青島は、彼がサラリーマンで営業をやっているということから昔の自分を見ているように思えたのだった。
その後、また室井に言われ被害者の娘・雪乃の病院に資料を取りに行った。今度は青島一人だ。そして、何か思いだしたか聞くように頼まれる。
病室を訪れた青島は雪乃が資料・・・殺された父の現場写真を見て涙を流すのを見た。写真をすぐに奪い、どうしようもない思いにかられる青島。はじめての事件の中で、交番勤務の時は人々平和の為に働いてきたのに、刑事なぜ事件解決が一番だからといって人の気持ちを二の次に考えなければいけないのか?・・・様々な気持ちが青島の中に渦巻く。
青島が署にもどった後、事件の犯人が自首して湾岸署に連行されてきた。なんと、あの、鞄の中に鍵を何十も所持していたことで青島が取り調べた・・・田中文夫だった。
田中は捜査員に連れて行かれてゆく。ずっと田中の背中を見つめる青島。
さきほどまで、青島の心の内に何か少し変化が起こっているようだった。
"彬 翔"
感   想
突然の取り調べシーンから始まったこのドラマ。刑事物の好きな私はほーらきたきたと期待していると、なんとこれは青島刑事に対するシュミレーションだったのだ。私は一瞬肩すかしを感じた。しかし肩すかしはまだまだ始まったばかりだった。事件が起きてもパトカーが使えない。現場に駆けつけても現場検証は出来ない。捜査会議では片隅に座らされる。おまけに本庁の運転手までさせられるのだ。そしてついには刑事物には有るまじき事が起こる。なんと青島が犯人を逮捕しないままで終わるのだ。
これにはびっくりした。主人公が犯人を逮捕できない。刑事物の一番の見せ場がないのである。私は心の中、いや、独り言で「なんだ、こりゃ〜」とつぶやいてしまった。
しかし、ドラマ好きの私は、長い間色々なドラマを見続けていた甲斐があり、1話目を観ればこのドラマが面白くなるかどうかが直感的にわかるようになっていた。
その直感で私はもしかしてこのドラマからは目が放せないと思ったのだ。
そしてその直感ははずれてはいなかったことが、回を重ねるごとに実証されることになる。自称ドラマ評論家の私は「私のドラマを見る目は確かだ」と一人満悦した。
一番の見せ場は、後のスリアミの戒名付けの場面だ。これは笑えますよ。そしてこの場面がこのドラマの今から始まるただものでない雰囲気を醸し出している。

◎報告書02 愛と復讐の宅配便
 
「この仕事は憎しみ合いじゃない。助け合いなんだ」

放送日時 1997/01/14
演   出 本 広 克 行
ゲ ス ト 松本留美・西田雅彦・篠原涼子・伊藤俊人・佐々木勝彦
松重豊
事件概要 室井が島津と共に署に来ていたのは、和久に復習を企てている可能性がある警官殺しの犯人・山部についての情報収集のためだった。和久は過去、山部に暴力を振るったことが合ったのだ。
袴田課長から和久に健康チェアが届けられた。早速和久が座ってみるが、どうも様子がおかしい。しかも袴田は心当たりがないというのだ。不審に思った青島が調べてみると、なんとこの椅子、立ち上がると爆発するよう爆弾が仕掛けられていた。蜘蛛の子を散らすように逃げ出す湾岸署メンバー。刑事課に残ったのは和久と青島、すみれだけだ。
室井からの電話で、椅子は山部からの復讐だと知った青島だったが、自らもトラップにはまってしまい、身動きできないハメに。室井は何とか山部を説得して起爆装置を無力化しようとするが、山部は冷笑するばかりだ。しかし、和久があやまればトラップの解き方を教えると言う山部に、警官殺しは許せないとあやまることをかたくなに拒む和久。頑なな和久に違和感を覚えつつ正義のために逃げなかったと語る青島に、和久は「犯人を恨むな」と諭すのだった。
"彬 翔"
感   想
早くもそれぞれの性格付けがはっきりしてくる。それぞれの背負った過去の重みとこだわりが、それぞれの言動に反映されているところはさすがである。
絶妙なセンスの笑いと抜群のテンポの恐怖は最高な作品になっている。
この回で好きなのは大変な事態が起こっているのに、なぜか笑える会話はアメリカン映画のノリで楽しめる。今までの刑事物は深刻になりがちだったのだが、それはそれで刑事物らしくて好きなのだが、私は何が合っても軽いノリというのが好きだ。
これは軽いノリの人生の私の人生に合ってるのだと思う。
この回で不幸をよぶ"カエル急便"が初登場している。

◎報告書03 消された調書と彼女の事件
 
「要求なんてない。普通のことさせてって言ってるの」

放送日時 1997/01/21
演   出 澤 田 鎌 作
ゲ ス ト 桜金造・水川あさみ・橋龍吾・清水章吾・佐々木敏・真実一路
事件概要 朝、湾岸署に傷害事件の通報が入ったのだが、被害現場は道の反対側。勝どき署の管轄である為に(両署の署長はどうやらライバル関係にあるらしい)仕方なく署に戻る袴田課長以下強行犯係一同。すると、帰るとすぐに青島あてに病院から電話がはいっているという。柏木雪乃が病院を抜け出したのだ。青島は急いで雪乃が行きそうな場所を考え、探しに行くと彼女は父親の墓前にいた。
そのころ、湾岸署盗犯係に一人の女子中学生が、歩いていたら男に鞄を盗まれたということですみれから事情聴取を受けていた。すみれはその男の顔を目撃したという圭子婦警に話を聞き、似顔絵を作成することにした。だが、被疑者の男とは建設省の官房次官の息子だという。男は女子中学生の鞄を見てひったくり逃げるのだが、その時近くにいた婦警に顔を見られたことに気付き、父親に相談。父親はキャリアの友人である警視庁刑事部長に息子の事件をもみ消してもらうよう、依頼していた。
刑事部長は室井管理官にこの事を話し、湾岸署に指示を出して事件をもみ消しにするように命令した。汚れ仕事を任された室井は湾岸署署長へ指示を下す。もちろんそれを受けた署長は、秋山副署長、袴田課長に捜査を打ち切るように指示するのだった。雪乃を病院に送り、署に戻った青島は様子がおかしいことに気付く。どうやら、事件をうやむやにしようとする上のやり方が、そしてなにより男が、弱い女を傷つけたことがどうしても許せないすみれが目撃した圭子をつれて逃走してしまったという。
地下の留置場に隠れていたすみれは圭子をつれ、和久の説得により課に戻ることにし、応接室で室井を口論をする。仕方なく室井は被疑者の男とその父親(官房次官)、そして弁護士を湾岸署に呼び、送検しても不起訴は確実であるのだが、(形だけの)取り調べを認める。青島、室井の立ち会いのもとですみれが男を取り調べをおこなう。しかし男は「僕がやりました。反省してます。」の一点張り。どうやら弁護士に知恵を与えてもらったらしい。話しにならないとおもったすみれは、仕方なく取り調べを終えるのだが、その時男の言った「パパにお礼を言わなきゃ。」という言葉についに青島が激怒。胸ぐらをつかむ。 「いいか、覚えとけ。パパが偉いからって何しても許されると思うな。許してくれるのはパパのお友達だけだ!俺たち現場の人間は違う。パパが官僚だろうが、女を力ずくで傷つけるようなやつは容赦なく追いつめる。おまえのようなやつに傷つけられて何年も苦しんでいる女性がいるのをおまえしってるか?俺たちは区別しないぞ。そこまで計算して生きてないんだ!!」 そのあと、男は暴力を振るわれたと父親や弁護士に訴えるが室井は取調室では何も起こらなかったと話す。これ以上話が大きくなるのを恐れた三人は署を後にする。
"彬 翔"
感   想
この回の話はほとんどが署内で進んで行く。前回に火曜日には一人で痛くないと言うすみれの過去の謎がはっきりしてくる。
その心の傷からすみれは弱い者を傷つける犯罪者を異常に憎む。この性格は「秋スペ」で爆発する。
室井の人間的面もこの回の最後のシーンで決定される。
アメリカンコメディー的に描きながら人間ドラマをきっちり描いているところは感心する。
1、2話の本広監督とは違う澤田監督の演出は、1、2話との違和感を感じないわけには行かなかったが、この二人の監督の違いがこのドラマシリーズをまた一層の奥行きを醸し出していくことになったのではないだろうか。
特筆場面は何と言っても留置場の場面だろう。これは笑えますよ。


tugihe

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