鼻のレーザー手術について 笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室
レーザーによる下鼻甲介粘膜縮小手術
Laser Assisted Turbinate Reduction参照サイト

レーザ手術1 鼻腔の模式図

レーザー手術2 レーザー治療前レーザー手術3 レーザー治療後
下鼻甲介に対するレーザー手術の実際例
●アレルギー性鼻炎、花粉症、肥厚性鼻炎、点鼻薬性鼻炎、鼻茸、鼻ポリープなど鼻粘膜に病的慢性炎症があったり、鼻腔腫瘍などに対して、
レーザー手術を応用することが出来ます。
●アレルギー鼻炎や花粉症では、その三大症状(鼻づまり水様性の鼻水くしゃみ)の改善が主な目的です。そのうちでも特に、薬による標準的な治療でも治りの悪い鼻づまり(鼻閉)を改善する効果が最も期待できます。
●レーザー照射の
手術治療時間は5分程度で、鼻粘膜の表面に塗布麻酔を20〜30分前後行うことで痛みを完全に無くすようにしますから、治療に際して疼痛や出血は殆どありません。
●1回のレーザー治療で効果が不十分な場合、その後は隔月に1回位の間隔で2〜3回の追加照射をおこないます。連月でレーザー手術を施行することは、保険診療上からは認められないことがあります。
●レーザー照射の治療効果は、永続的に続くものではありません。効果の持続期間も個々人によって様々ですが、効果が減少した時点で、安全に、副作用無く、レーザー治療は繰り返して施行することが出来ます。
●鼻炎のレーザー手術には
健康保険が適応されます(医療費の項)。治療薬の節約とその副作用の回避、通院回数の減少により、医療経済的にも有効です。
●レーザー治療を繰り返し施行した後にも鼻粘膜の収縮が十分に得られず、鼻閉が残る場合にはラジオ波凝固治療(高周波電気凝固法による下鼻甲介切除術)を適宜追加します。(下鼻甲介のラジオ波凝固治療の実際例レーザー、コブレーション、バイポーラ高周波凝固治療についてコブレーターの外来診療に於ける応用耳鼻咽喉科外来に於けるレーザーとラジオ波手術レーザーとラジオ波手術の使い分け
鼻アレルギーの外来手術治療1-2-3花粉症の治療1-2-3

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 1983年、私達は耳鼻科領域で初めて炭酸ガスレーザーを乳児の後鼻腔閉鎖症に使用しました(第18回日耳鼻千葉地方会報告)。その頃の炭酸ガスレーザーの装置は手術室でかなりのスペースを占拠する大がかりなものでした。操作性も悪く、値段もとても高く、簡単に外来で鼻炎の治療に応用できるような代物ではありませんでした。
 近年、色々なタイプのレーザー機種が出そろって、コンパクトになり、鼻炎に対する治療効果も一定の評価が定まり、耳鼻科の外来でも安心して使えるようになりました。また、保険も適応され、患者の皆様にも恩恵を受けていただけるようになっています。
 レーザー治療の良いところは、薬の治療や従来行われてきたメスでの外科的切除手術と違って、経験を積んだ耳鼻科医が施行する限り副作用がまず出ないという点です。あえて欠点をあげると、鼻粘膜の照射に関しては効果の持続が永久的では無いことです。ただ、これは長所でもあって、たとえ照射しすぎるようなことがあっても、生体の粘膜は回復力が強くて、いずれは徐々に元に戻ってゆきます。癌治療などと違い、良性疾患の治療ですから、可逆性があるということはとても大切なことです。出来るだけ薬に頼らない鼻の治療法の一つとして、レーザー治療をお勧めしています。

【質問】
 花粉症のレーザー治療についておたずねします。私と母は毎年ひどいスギ花粉症に悩まされています。今回、母がテレビで花粉症のレーザー手術のことを知り、こちらのホームページを見てお問い合わせをしている次第です。
1.効果の見込めないタイプの人はいるのか?またそれはどの様なタイプの人か?
2.レーザー専門の「Aクリニック」に問い合わせてみたところ、「費用は9万円で保険は利かず、一度受ければ半永久的に症状は現れずにすむ。」と言われました。Aクリニックのレーザー治療とそちら様の方でやっておられるレーザ治療は違うものなのでしょうか?
3.予約による治療はしていただけるのでしょうか?
4.今年は杉花粉の量がかなり多いと聞いていますが、今年の対策としての治療は今からでも間に合うのでしょうか?(2月17日のお問い合わせ)
5.現在、生後7ヶ月の乳児を母乳で育てています。レーザー治療を受ける事は出来ますか?
以上宜しくお願いいたします。

【回答】
1.レーザー治療はどのような方にも症状の改善が望める可能性があると考えています。今までのアレルギー性鼻炎に対する標準的な治療法では自覚症状、特に鼻づまり(鼻閉)の改善が充分に得られなかったような重症の方に試みていただきたい治療法です。ただ、鼻炎に対して内服薬や点鼻薬をどれだけ使っても効果がみられない方があるように、どのような治療方法でも100%の方に有効とは言えませんし、また完全に全ての症状をなくせるわけではありません。もちろん「アレルギー性鼻炎を治す」治療法でもありません。鼻中隔彎曲症や副鼻腔炎のある方などは下鼻甲介粘膜の焼灼だけでは、効果が十分ではないかもしれませんので、それぞれ鼻中隔矯正手術や副鼻腔炎の治療を併用しなければいけません。レーザー照射後にも残った症状がある場合や、レーザー照射による反応の軽減には、少量にしてもお薬が必要です。特に花粉症では鼻詰まりだけではなく、激しいくしゃみ発作や水様性鼻漏、眼やのど、気管、皮膚などの症状の他、ひどくなると全身症状も出ることが多くやっかいです。それらの対策としては鼻粘膜の局所治療としてのレーザーは全く無力ですので、目薬や炎症を抑える薬、吸入薬、軟膏などが必要となります。
炭酸ガスレーザー 炭酸ガスレーザー 半導体レーザー 半導体レーザー
2.レーザー手術装置はここ数年でだいぶん安くなってきましたが、まだ数百万円以上の値段がついています。いろいろなタイプのレーザー装置がありますが、鼻粘膜の焼灼に用いられるのは、炭酸ガスレーザーや半導体レーザー、ヤグレーザーなどが主なものです。現在当院では炭酸ガスレーザーと半導体レーザーを鼻内所見や症状と治療回数などによって使い分けて使用していますが、メーカーによる操作性や出力の違いやレーザーの種類によって組織表面と深部への吸収度の違いがあっても、基本的な物理的作用は同じです。手術的治療ですから、術者がどれだけのレーザーの出力と照射時間で、鼻粘膜のどの領域の広さを照射治療するかで反応と効果が大きく変わります。レーザーの出力を強くし、照射持続時間を長くすれば、粘膜はその分大きな障害を受けて、術後に強い組織反応が見られます。治療効果の持続期間も長くなることが期待はできますが、鼻の粘膜構造が無くならない限り「半永久的」に症状が現れないというようなことはありません。生体はそんなにヤワには出来ていません。必ず粘膜は再生してきます。そのとき、レーザー治療の効果で症状が出にくくなっていることは期待できます。もし永久的に鼻が粘膜刺激に対して反応を全く起こさなくなっているとしたら、たとえば異物が入ってきても、鼻水やくしゃみの反射で異物を排除するということが出来なくなることですから、それこそ怖いことです。
 レーザー治療あるいは超音波メスや各種電気凝固治療(高周波あるいはラジオ波凝固治療やアルゴンプラズマ凝固治療APC等)といった新しい医療機器を用いた手術方法といえども、「たった一度で」「完全に治す」という、夢のような、魔法の治療方法ではありません。本質的に遺伝子・細胞レベルの疾患であるアレルギーは、どのような最新医療機器や優秀な手技を用いたとしても、焼灼・凝固・蒸散・切開・切除といった「手術」治療で治せるものではありません。どのような優れた医療機器も、出来る限り生体に障害を与えないで、鼻アレルギー症状、特に下鼻甲介の腫脹による鼻づまりとそれに伴う鼻汁過多の改善をはかるという目的を達成するための単なる手術支援機器の一つに過ぎません。使いやすく、効率の良い機種が術者の好みで使われているのが現状です。アレルギー性鼻炎の手術的治療のなかでも下鼻甲介粘膜の炭酸ガスレーザーや半導体レーザーによる治療は、処置が簡便かつ安全で、痛み刺激が少ない点で治療を受ける方にとっての負担が少ない方法です。
 
鼻粘膜に対するレーザー手術は保険で認められています。それほど高いものではありません。(注:平成14年4月の診療報酬改定により、鼻粘膜焼灼手術はレーザーを使っても他の機器を使っても同じになりました。つまりレーザーを使ったからといって治療費にレーザー加算されることはなくなり、非常に安い治療になりました。)1回1側の下甲介粘膜のレーザー治療は、保険適応で3割負担の方は2,700円です。高い治療費であれば一回で治せなくては患者さんも医師にとっても納得できないことでしょう。下鼻甲介のレーザー焼灼手術は基本的には繰り返しすことで治療効果が上がってゆくものです。保険診療に関する疑問は別項で解説していますのでご参照下さい。
 レーザーによる下甲介粘膜の焼灼術を繰り返してもまだ充分に鼻詰まりが解消しない場合、最近では新しく実用化されたCoblatorやCelon ENTというラジオ波凝固装置による下鼻甲介粘膜の電気凝固治療をおすすめしています。このラジオ波凝固治療法はレーザー手術と殆ど変わることのない術前処置と費用で受けていただけ、肥厚した粘膜下組織の縮小に非常に効果的です。
レーザー手術、ラジオ波治療、鼻粘膜構造 鼻粘膜上皮と粘膜固有層
3.鼻粘膜のレーザー手術は、予約していただかなくて結構です。初診で、レーザー治療の適応があれば、そのままその日のうちにでも外来治療の一環として、診察に引き続いてレーザー手術をしていただいております。特別な準備は必要がありません。ただ、受付・問診・診察・術前の塗布麻酔・レーザー手術・処置後の経過観察という一連の診療には所定の時間が必要ですので、午前・午後も、診療終了時間の1時間半前には来院していただかないと、当日のレーザー手術は出来ません。また当然のことですが、ご希望がどれだけあっても手術の適応でないと判断した場合には、手術は行いません。保険医療機関及び保険医療養担当規則により「手術は、必要があると認められる場合に行う。」ことと定められており、一般的に手術的治療は手術以外の標準的な治療法でも改善しない場合に適応とされます。また、アレルギーのハイシーズンにはレーザー手術をしてさし上げられる人数にも限りがあり、ご希望に添えないこともありますので予めご承知おき下さい。レーザー治療といっても、そんなに特殊な治療方法ではありません。いずれは鼻咽喉科外来での一般的な治療の一つになってゆくだろうと思います。
 なお、いびきのレーザー手術や副鼻腔炎などの一般の手術はそれとは事情が異なり、手術当日の朝は食事をしないで来院していただく必要があります。それで、初診では手術の適応を決めさせていただき、後日の手術日を予約するという形で施行しております。手術予約は外来が混み合う1月から3月のアレルギーのハイシーズンは避けて、ゆとりのある日時に組み込んでいただいております。
4.今年のスギの予防対策としてだけを考えると、本当はちょっと時期的に遅いようです。もう少し前、具体的にはスギ花粉シーズンの数ヶ月前から、2〜3ヶ月に1回位でレーザー手術をしておいていただければ最も良かったと思います。慎重な方では前年の夏頃から予防的レーザー治療を繰り返して受けられる方もあります。レーザーを照射して1週間位は反応性にかえって鼻の調子は悪くなりますが、それをすぎると症状が改善してゆきます。シーズン中であっても、1回だけのレーザー治療でも、非常に良好な結果が得られている方もあります。特に鼻閉の強い方では、今からでもレーザー治療をしておく価値はありますので、ご希望があればご来院ください。ハウスダストやダニなど非季節性・通年性のアレルギーの方や、慢性鼻炎や肥厚性鼻炎で鼻詰まりやそれに伴う頭重感やいびきで年中、悩まれている方の下鼻甲介レーザー手術の時期は、風邪やそれに引き続く急性副鼻腔炎などの感染症が無い限り、いつでも問題ありません。そのような方はアレルギーシーズンで耳鼻咽喉科が混み合う時期よりも、オフシーズンの外来が空いている時期にゆとりを持って治療されるのがよいでしょう。
5.レーザー治療は、耳鼻咽喉科外来で鼻の処置が出来る方なら、どのような方にでも適応できます。薬をなるべく使いたくない方、薬を使っていても鼻づまりの改善が悪い小児・学童、妊娠中や授乳中の方にも安全で、おすすめできます。当院では2000年より2015年12月までの間に、22,319側の下鼻甲介粘膜レーザー焼灼手術を行ってきていますが、特に問題のある副作用事例はありません。鼻中隔彎曲症のひどい方で、レーザーの先端チップが鼻腔内に入らない場合はレーザー治療をするために鼻中隔矯正手術で鼻腔を拡げる必要があります。鼻中隔彎曲矯正手術は外来手術では行っておりませんので、入院治療ができる最寄りの病院をご紹介して受けていただいております。以前に鼻中隔彎曲症や肥厚性鼻炎で手術を受けられており、一時調子が良かったものの、鼻閉が再び出現してきたような方では、その殆どの原因が下鼻甲介の再腫脹ですから外来でのレーザー治療は非常に有効です。ただし、今まで耳鼻咽喉科で診断や治療を受けたこともなく、簡単な鼻の処置さえも出来ないような痛みに過敏な方や神経質な方、一人では診察椅子に座ることが出来ない小児では、麻酔のお薬を鼻の中に入れる操作が出来ないでしょうから、従来の薬物を中心とした保存的治療法を選ばれた方がよいでしょう。下鼻甲介レーザー手術は基本的には絶対に行わなくてはいけないと言う性質のものではありません。治療効果も改善率が90%位といわれると、いかにもすばらしい効果が上がるように考えられがちですが、逆に言えば1割の人には効果がない方がいると言うことです。100人では10人、1,000人では100人にもなります。その人にとっては100%治療効果がなかったということです。薬の治療効果判定でも標準的な薬剤の臨床症状の改善率は70〜80%前後です。プラシーボ(偽薬)でさえも30〜40%位で「効果有り」と判定されることも珍しいことではありません。臨床医学とはその程度のものであるとの認識も必要で、過大な期待は禁物でしょう。
 笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室


[実際のレーザー治療の方法に関して、ご質問が多いので以下に記載しました]
下鼻甲介粘膜レーザー治療の実際の手順について
1. 局所塗布麻酔
 まず耳鼻咽喉科診察治療椅子に掛けていただき、これまでにも受けてこられた耳鼻咽喉科一般外来治療と同じように鼻粘膜にスプレーをします。このスプレー液は濃度の薄い粘膜麻酔と血管収縮作用の薬液を混ぜたものです。少ししみる感じがするかもしれません。
 次に、濃度の濃い麻酔液を浸した細長い綿花片を数枚、レーザー手術をする側の鼻腔内に挿入することで粘膜表面の「塗布麻酔」を行います。表面麻酔を確実にするために麻酔液は多めに綿花に染みこませてありますから、薬の一部は鼻からのどの方へ廻ってゆき、口の中が苦く感じます。量はそれほど多いものではなく、飲み込んでも害はありませんが、口から吐き出していただくようにしています。薬がのどに廻ることで、口の中やのどの粘膜も麻酔されることがありますが問題はありません。正常な粘膜に麻酔液が付くと麻酔効果が出るまではしみるような痛みがあります。麻酔薬を染みこませた綿花は鼻腔内に充満するように鼻の中に詰めますから、ここまでの処置は全く痛みを感じないで済ませられるわけではなく、鼻処置が出来ない神経質な方や痛みに対して極めて過敏な方には向きません。基本的に、鼻粘膜のレーザー治療は絶対にやらなくてはいけない手術ではありませんから、無理をされることはありません。しかし普通は、耳鼻咽喉科で「きちんとした」治療を普段から受けておられる方であれば、小学校の低学年児童でも全く問題なく簡単に出来る処置です。
 そのままで20分から30分待っていただくと鼻粘膜の麻酔が完了し、レーザー治療を行うことが出来るようになります。麻酔効果がしっかり現れると、鼻だけでなく上唇や前歯のあたりまで一時的に感覚が麻痺してボーッとした感じになりますが、良く効いている証拠ですから心配ありません。粘膜表面から麻酔薬は吸収され、1時間もすると麻酔効果は消失して元通りの感じに戻ります。
2. レーザー手術
 レーザー手術の欠点として煙の発生があり、レーザー治療中は焦げ臭いにおいが気になると思います。鼻で息を吸うとわずかではあっても煙を吸い込んでしまい、むせることがありますので、口で息を吸って鼻へ吐くという普段の呼吸法とは逆の呼吸をしていただくようにしています。
 実際のレーザー手術に際しては麻酔が完全であれば痛みは全くありません。ジリジリという粘膜が焦げるような小さな音とわずかな刺激はあります。粘膜表面麻酔だけでは痛みや強い刺激感を感じるようであれば再度塗布麻酔を追加します。それでも痛みを感じるとおっしゃる方では麻酔の注射を加えることで確実な麻酔が得られますが、そのような必要がある過敏な方は極めて希なことです。レーザー手術は片方の鼻で5分くらい、両鼻でも10分程度で終了します。
 その後の、お風呂、食べ物など日常生活の制限はありませんが、念のために治療当日はシャワーくらいにしていただきます。運動も過激なものでなければ結構です。水泳は3日くらいは控えた方がよいでしょう。当日軽度ですが痛みを感じる人がありますので、念のために消炎鎮痛剤や抗アレルギー剤を処方することもあります。
3. レーザー手術後
 治療直後から術後2日程は炎症性反応として鼻水、鼻づまりが逆にひどくなります。鼻血が混じることがありますので、強く鼻をかまないようにして下さい。術後1、2週間はレーザー手術をした鼻粘膜表面にゼリー状の分泌物や「かさぶた」が付着して鼻づまりをより悪化させます。生理学的に鼻は片方の鼻粘膜毎に交互に腫れをくり返すリズムnasal cycleがあります。それまで片方ずつの鼻づまり位であった方が、一度に両側のレーザー治療を受けると術後数日間、両側の鼻づまりになり睡眠時にかなり苦しい思いをすることがあります。もともと両側の鼻づまりがひどい方では、両側同時にレーザー治療を行ってもそれ以上に鼻づまりを気にされないことも多いのですが、中等症や軽症の方であれば尚更、そのような辛い思いをしないで済むように片方ずつのレーザー手術をおすすめしています。片方を行って1週間前後の治療効果と経過をみていただき、症状が良い状態であれば、引き続きもう一側のレーザー治療を行っていただくのがよいでしょう。両側の鼻づまりがそれほど苦にならない方や2回目以降で慣れた方であれば、両側同時にレーザー治療を受けて頂いても良いでしょう。初回よりも2回目、3回目になると、レーザー手術後の炎症性反応は軽くて済むようです。
 レーザー治療によって臭いがわからなくなることはありませんかという心配をされる方がありますが、嗅覚を感じる神経細胞が存在する粘膜部分をレーザー処置するわけではありません。逆に鼻の通りが良くなることによって、これまで臭いがわかりにくかった方では良く匂うようになります。
 鼻粘膜に付着する分泌物や「かさぶた」は、手足などの皮膚を擦りむいたときに出るじゅくじゅくした分泌物や「かさぶた」と同じような、傷が治るときに出来るものです。時間と共に自然に剥がれてゆきます。無理にとってもすぐにまた付着しますから、レーザー処置後の数日の鼻づまりはやむを得ないものです。酷くなければ術後の通院処置は必要ありませんが、経過中にひどい鼻づまりや痛み、稀には炎症性反応のための発熱など、手術に伴う不快な症状が出ることがあります。そのような場合は感染を起こしていることも考え、抗生物質、解熱鎮痛剤や消炎酵素剤の内服や局所には軟膏で治療していただくこともあります。辛い症状がでている場合には、鼻の処置を受けていただくことで大変楽になりますし、レーザー手術とは直接関係のない副鼻腔などで感染が起きている場合などもありますから、けっして我慢をせずに耳鼻咽喉科を受診して治療をうけて下さい。
 
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